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主に日記

読書メモ エンジニアリング組織論への招待

念願のiPadを購入したので、その勢いでKindle積ん読状態を解消した。

組織論と書かれているがプロジェクトマネジメントに通じる部分が多いので、プロジェクト進行に課題を感じている人はメンバーだろうとテックリードだろうと読んで損はない内容だった。アジャイルスクラムといった個別のトピックは、別の書籍でフォローしたほうが深堀りできそう。

自分はモバイルエンジニアの役割で仕事をしている。一人でアプリを担当することが多いのであまりチームとしてのフィードバックを受けることがなく、プロジェクト進行に関するモヤモヤが解消されないことが多かった。この本を読んで、言語化できたり改善のきっかけをつかめた気がする。

以下は各セクションの概要とKindleのハイライトメモの抜粋

Chapter1 思考のリファクタリング

  • エンジニアリングする上で向き合うべき不確実性について、その発生原理や対処方法のパターンについて

「曖昧さ」を減らし、「具体性・明確さ」を増やす行為が「エンジニアリングとは何か」という答えでもあるのです。

エンジニアリングの本質

少ない指示で物事を実現できるので、より大きな「不確実性」の削減を行うことができます

自己組織化された組織であるメリット

人間にとって、本質的に「わからないこと」はたった2つしかありません。それは、「未来」と「他人」です。

解消すべき不確実性の分類

技術的な理解や視点は重要ですが、それだけを考えていると本質を見失ってしまいます。

自分が陥りがち。戒めとして覚えておく

これらのことからわかることは、「怒り」が発生しているそのときは「自分」ないし「自分の大切にしているもの」に被害が及びそうだと感じている

扁桃体が刺激されている、と自覚して怒りを気づきのきっかけにしたい

経験主義的な発想でことに臨めば、「わからなかった」あるいは「正解ではなかった」ということが重大なヒントになり、次の行動を生み出します

スクラムでチーム成長が起きるサイクル

対立に見える問題を、対立にならない全体像をあぶりだすことと、その解決を個人の問題にせず、関係性の問題に変換して、本当の問題を発見する

システム思考でやるべきこと

Chapter2 メンタリングの技術

  • 不確実性を生み出す人間の認知の歪みを矯正する手段としてのメンタリング技術について

上司が「ここまでは自立的に考えてほしい」と考えている期待値と、部下の「ここまでは自立的に考えるのが自分の仕事だ」と考えている期待値の2つが、一致していれば問題はありません。

部下のマネジメントの成功判断基準

自分から考えて動いた結果、評価されたとか、周囲からの尊敬を集めたとか、そういったポジティブな結果を手に入れた人は、正のフィードバックサイクルの中に「自立的に動くことは、楽しい」といった回路が組み込まれることになります。

メンタリングで意識すべきこと

メンタリングは、自立型人材を作るために、信頼関係の上に期待値を調整して、適切に自己効力感をもてるようなフィードバックループを作り出していきます。

メンタリングの際の基本姿勢

このような閉じた世界の中での合理性、「限定合理性」に人々が縛られてしまうのは、その閉じた世界で考えることが「心地よい」ものだからです。

作業に追われているときに陥りがちな状態

すべてのその人の問題は当人しか解決できないので、解決策を言うこと自体が、相手への敬意を欠いた行為ともいえます。

メンターの心構え

メンタリングにおいては、この「リフレーミング」のテクニックを使って、メンティが囚われている認知フレームを別のフレームに変えていくことで、「解けない問題」を「解ける問題」に変えていきます。

メンタリング関係なく認知フレームを外す為の習慣取り入れてみたい

アクノレッジメントは、・ちゃんと挨拶する・無視しないで話を聞く・相手に感謝を伝える・気にかけて話しかける・自分本位でなく相手本位で話をするという、小学校で習うような当たり前のことばかりです。

メンタリングの心構えその2

私がよく使う言葉として、「能力は習慣の積分だ」というものがあります。「習慣」とは「行動」が染みついたものです。そのため、「行動」や「習慣」は外からでも、メンタリングの方法論を用いて成長を促すことができます。

観測して測定

Chapter3 アジャイルなチームの原理

  • アジャイルをチーム単位でのメンタリングと捉えた上での、解説やポイント

アジャイル開発は、アジャイルなチームを作るための方法論で、複数の軽量開発プロセスの総称です。

概要

開発チームが抱える不安と要求を出すプロダクトのオーナーとの意志が統一されていること

アジャイルで重要視すべきこと

アジャイルな方法論を用いて、チームの認知をリフレーミングしていくことが、アジャイルな方法論を「チームメンタリング」であるとする理由です。

アジャイルとメンタリングの関係

Chapter4 学習するチームと不確実性マネジメント4

  • チーム内で発生する不確実性のマネジメント方法について

・制約スラックを削減する

・見積りの予測可能性を上げる

・プロジェクトバッファの消費を可視化し改善する

スケジュールマネジメントの基本要素

不安量の大きいタスク順に問題解決をする

不安量の大きいタスクを解体する

不確実性解消に向けたステップ

自分たちが今わからないものを「どのようにしたらわかるようになるのか」「わかったものからどのようにしたら改善するのか」を意識できるようになると、自分たちを役割に閉じ込めること自体がおかしなことだと気がつくようになります。

自己組織化されたチームの第一歩

Chapter5技術組織の力学とアーキテクチャ

  • チームより大きな組織単位で考えたときに不確実性を下げるためにできること

コミュニケーションというのは、「発信」と「到達」だけではなし得ません。「受信」の確認と行動変化による「正しく受信されたか」の確認が不可欠です。

正しく受信されたか?の確認をしない人は多い気がする

システムの要件を決めるプロダクトオーナーは、少しでもビジネスを進捗させたいため、工数のかからない施策への優先順位を上げていきます。工数のかからない施策とは、現行のアーキテクチャで無理のない施策ということなので、アーキテクチャがビジネスの構造や組織構造への影響を与えることになります。

技術的負債がビジネスに影響を与えるプロセス