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主に日記

「The Elements of User Experience ~5段階モデルで考えるUXデザイン」を読んでUX領域のアウトラインを掴んだ

背景

UXの重要性は理解しているつもり。だけど、自分の中でそれを良くするためのフレームワークが確立されていないのが課題。出来上がったワイヤーフレームを見ながら改善することは出来ても、要望ベースでイチから良いUXを実現するためのアウトプットを作ることが出来ない。

モバイルアプリを開発していてマテリアルデザインガイドラインやヒューマンデザインガイドラインは読むことがあるので、かなり偏った断片的な知識は持っている。おそらく、モバイル分野の外のUXの知識が無いことが原因。

そういう課題感をずっと抱えていて、全体感を掴めそうな感じがしたのでThe Elements of User Experience ~5段階モデルで考えるUXデザインを読んでみた。

所感

  • 全体感を掴むという目的は達成できた。表層・骨格・構造・要件・戦略の5段階のレイヤー分割したことで、細切れに蓄えていたこれまでの知識を一気に整理して分類分けすることが可能になった。
  • 具体的な上位レイヤーは抽象的な下位レイヤーを元に意思決定すべき、という言われてみれば当たり前の事実を理解した。この観点が無いと、要件定義の段階でボタンの形や色のような些末な議論をしてしまい、プロダクト検討がスムーズにできないという事態を引き起こしかねない。
  • レイヤーの依存関係とそれぞれの責務の考え方が、システムアーキテクチャの考え方に似ていた。なのでアーキテクチャの議論が好きなプログラマも読んでいて楽しいと思う。
  • 骨格のレイヤーは、いわゆるUIの事が中心になる。そのUIが、インターフェースデザインナビゲーションデザイン(及び情報デザイン)に分かれて製品の機能と情報の良さを底上げしている。UIはUIという一つの塊だと思っていたので、その中で分類があるというのは発見だった。
  • 個々のレイヤーのブラッシュアップをどうすれば良いか?という方法論はさほど深堀りされていない印象。この辺の詳細部分は別の書籍で補っていく必要があると感じた。