リーダーの作法とセットで購入した。
ジャンルとしてはチームビルディング・チームマネジメントの領域。前半と後半で書きっぷりがガラッと変わる珍しい本。
前半ではチームの状態と発揮すべきリーダーシップをそれぞれ3種類ずつに分類して解説している。
- サバイバルモード・指揮統制型
- 学習モード・コーチ(独裁者)
- 自己学習モード・ファシリテーター
自己学習モードとなった自己組織化されたチームを目指すという考え方はチームトポロジーやスクラムと近いところがあり、目的意識が近い人が読むとしっくり来ると思う。特徴的なのはリーダーシップを発揮する
というアプローチの違い。他の書籍と異なる目線の文章を読むことで、新しいアイディアを得られた。
後半は著名人のエッセイ集になっていて、〇〇が知るべき〇〇のこと
シリーズと似ている。執筆者の人柄や考え方が強く出る部分なので、共感できる話もあればそうでないものもあった。読み物の一つとして目を通した。
コミットメント言語
他のトピックと少し毛色が違う内容だが、6章のコミットメント言語はこの書籍を読んで一番印象に残ったトピックで、色んな人に話したい内容だった。
ざっくりいうと、自身が制御できる範囲内の事柄について言い訳の余地がない会話を心がけるというコミュニケーション方法。ポイントは、やればできるものに対してやると宣言すること。これを意識することでゴールが明確が明確になり、選択した手段に現時点では課題が無いという状態に整理できる。フロー効率を上げるための一要素になりそう。
逆に制御できない要素があったり実行するかどうか濁した言い方をしてしまうと、必要以上に不確定要素が増えてしまう。その結果、目指しているゴールに全力投球しづらくなる。
チームで期待値を合わせるために取りうるコミュニケーションは人により様々で、そのマネジメントはかなりハイコンテキスト。これはチームビルディング分野においてボトルネックになりやすい。自分は、メンバーの発言内容を注意深く観察しながら情報を正規化しチームの情報として合意形成するのが、マネジメントする人間の仕事だと思っている。コミットメント言語という共通IFを利用することで、普段との違いや違和感に気づきやすくなることが期待できそう。コミュニケーションミスが減ることで成長に繋がり、チームが良い状況に改善されやすくなるという意味で、この本で紹介されていたのだと思う。
あくまで、時間効率を良くするための手段。なので期日を強制するような意味合いは無いはずなので利用には注意。自分の仕草として馴染んできたら、徐々にチームにも浸透させていきたい。