雰囲気で対応しているリーダー仕草の限界を感じていて、社のSlackで見かけたので便乗してみた。安定のオライリー。
銀の弾丸的な話は無く、日々のちょっとした振る舞い(それこそ作法)を良くするためのヒントが散りばめられていた。途中何度か説明されていたように、リーダーに必要なスキルはリーダーとして経験を重ねることで得られる
というのは全くそのとおりで、自分のイメージとも近かった。理想と現実のバランスを見ながら、色んな不確定要素について分析し、意思決定が求められる場面にどれだけ出くわしたかで懐の深さが変わってくると思っている。一言で言い表せない微妙な心情について的確に表現されていて、非常に共感できるフレーズばかりだった。
ベストプラクティスを紹介するような属性の本ではないので、自分の中で咀嚼して納得感のあるアドバイスから少しずつ取り入れていけばいいと思う。
自分が全体を一読して思ったのは、人格者が優れたリーダーであることと相関がありそうということだった。他者を見下さず、人間の能力にはグラデーションがあり、そこをどう活かしていけるのか考えられるキャパを持った人物であればあるほど、この書籍で挙げられた取り組みを自然に実行できるのだろうと妄想した。
なんとなく実践していたもの(任せる・適切なタイミングのフィードバック・人数とカオス)が紹介された時は自分がこれまでやってきたことが報われた気がして、少しだけ安心できた。
新たな学び
- 不適切な状況を放置することは、メンバーにそれを許容するというメッセージになってしまう
- (上でも書いたけど)結果を出すリーダに必要なスキルの殆どは、仕事中に発生する無数のシナリオを自分の経験として落とし込むことで得るものである。なので、学校で学べるようなものではない。
- メンバーのパフォーマンスを管理する前に、期待するパフォーマンスに関して合意形成しそれを実現するためのサポートを数ヶ月し続けたのか振り返る。ちゃんと期待値をあわせてから。勝手に期待して勝手に失望するのはNG。
- リーダー一人に対してメンバーは複数名いる。人的ネットワークもメンバーの方が多い。チームメンバーのほうがリーダーよりも多くの情報を持っていると考える
- 新しい仕事にフィットするのには90日かかると想定しておく。その90日で第一印象が決まり、それを覆すのは非常に困難
- チームの30%はリーダのパフォーマンスに不満を持っている。
- ダメージコントロールのためのコミュニケーションプロセス(P152)。これは書籍を直接読んで確認したほうがいい。